「リフォームは手間がかかるので、新築に比べて施工費が割高になります。」
と、営業の頃によくお話ししていました。
この「手間」が、具体的にどういうものかはなかなか分かりにくいと思います。
手間には2つあります。
・リフォーム特有の「住みながら工事」の場合の手間
・建物自体の「劣化」による手間
この2つが「手間」になります。
住みながら工事による手間
1つは、いっきに解体ができないこと。
住みながらのリフォームだと、いっきに解体ができません。
一部屋単位に工事をしていくと、大工・水道・電気・クロスなどの各業者さんも一部屋単位に来てもらうことになり、その分工費がかかります。
また、工事によるホコリが他の部屋に飛ばないように養生したり、通路になる廊下も養生したり、資材の運搬に時間がかかったり、といった手間が出てきます。
建物自体の劣化による手間
もう1つは、年数の経過による劣化などによる手間です。
よくあるケースは地盤沈下による建物の歪みです。
地盤沈下は床のビー玉がコロコロ転がるような大きなものから、数ミリ単位の小さなものまで様々。
全く地盤が沈んでいない建物の方が珍しいくらい、よくあります。
地盤が下がると基礎が下がります。
合わせて床にが傾き、壁も傾き、柱も下がります。
柱が下がると屋根も下がります。
リフォームはその傾きに合わせて施工するため、新築に比べて多く手間がかかります。
例えば、傾いた壁にあたらしい壁を上から貼り付けて、そこに家具を置いたら…
傾いた壁に真四角の家具を取り付けると隙間が大きく開き、固定できません。
そうならないために、傾いた壁をまっすぐになるよう調整します。床も調整します。こういったことが手間となります。
壁を張ると見えない下地はこうなっています。
もともとの建物の柱が傾いていたので、柱とは別に下地を作り、壁の垂直を合わせました。
柱は傾いたり、反ったり、ねじったりと、生き物なので真っ直ぐなほうが少ないです。
一本一本調整しながら、壁を作るので、ここでかなり手間がかかります。
土壁で釘がきかない、もともとの柱が反っている。ひとつひとつチェックして下地を作るので、新築に比べて3倍ほど手間がかかることもあります。
まとめ
リフォームの「手間がかかる」とは、新築に比べてということです。
リフォームを選ぶということは、新築とは違う価値を選ぶということ。金額だけを見て、「新築と比べて手間がかかる!」とご説明してたのが恥ずかしくなりました。
手間がかかる、ではなくて、「手間をかけてリフォームを選ぶ」ですね。
以上
リフォームの「手間がかかる」の手間とは?でした!
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